ぼくたちは、いびつさを直せと育てられた。
みんなと同じように生きろ。人と違ったことをしないように。と育てられた。
へこんだところは、埋めるように言われて、
出過ぎたところは、凹ませるように言われた。
マルや四角のような人間になるように言われた。
しかし、それは不自然だ。
友達が農家さんにお手伝いに行った時、畑でとっても曲がったいびつなキュウリを見た。
『まっすぐじゃないんですね。』と言った友達に、農家さんは言った。
『まわりを見回してごらん。自然界にはね。まっすぐなもの。直線のものなんてひとつもないんだよ。』
ぼくたち人間だって、もちろん自然界の一部だ。
まっすぐで直線でまんまるで四角でなんてありえない。
いびつこそ自然であり、いびつこそじぶんなのだ。
いびつさを強制しようとすると無理が出るし、
じぶんの美しさが消えていく。
いびつで完璧。
いびつで美しい。
それが、ぼくだち人間だ。
にっくん。