この前、仕事をしようとスターバックスに行ったらパソコンの充電がなかった。
そのスタバには、充電できる席が2席しかない。
その日は、土曜日で満席。当然その席は空いてない。
「やっちまったなぁ」と思いながら、困り果てていたら、その2席のひとつに座っていたメガネをかけた女性(学生さんっぽい)が声をかけてくれた。
「あの。わたし、ここじゃなくてもいいんで変わりましょうか?」
ーえ?いいんですか?
「はい。お仕事ですか?がんばってください。」
ーありがとうございます!助かります!!!
その女性のやさしさにふれて、ぼくはすっかり幸せなきぶんで席についた。
無事、充電を始めて、その日したかった仕事にとりかかる。
ひとときして、OLらしき女性が入店してきた。
スマホと充電器を片手に店内をキョロキョロしている。
彼女もさっきのぼくとおんなじ、充電したくて仕方ない系の顔をしていた。
パソコンを見ると、充電も満タン。
ぼくは、こう言った。(シャイだから照れながら結構ボソッとした声で。)
ーあ、あの。ぼく、もう充電完了したんで変わりますよ。
女性は、笑顔を輝かせる。
「え。いいんですか?困ってたんです!助かります!!!」
今度は、ぼくが「やさしさ」を発揮できて、ぼくはまた幸せな気分になった。
不思議なことに、譲ってもらったときより、さらに幸せで愉快な気分だった。
心をホクホクしながら、パソコンをしていたら、さきほどのOLが寄ってくる。
「あ、あの。本当にありがとうございました。これ。飲んでください。」
彼女は、なんとぼく好みのおいしい飲み物をプレゼントしてくれたんだ。
沖縄のあるスターバックスで起こったささいな出来事だったけど、
世界でいちばんたいせつなものが交換された大きな出来事だった。
心を開きあってぼくたちが本来持っている「やさしさ」を渡し合う世界。
ぼくが、みんなと分かち合いたい世界がそこにあった。
「やさしさとしあわせは同じ場所にある。」
絆を紡ぐことばのギフトー2016/09/28
にっくん。